来てくださり、ありがとうございます!
今回は、マンガ『バーテンダー』の2巻について語らせてください。
ブログの記事を書くにあたり、久しぶりに読み直しています。
このマンガは1巻1巻、共感することや気付きを得られるものがあり、すごく嬉しいです。
『バーテンダー』では、1話のお話を『Glass〇』(〇には数字が入ります)と表現しています。
同じカクテルでも、グラスによって、飲む人や作る人によって、見えるものが変わる・・・
そういう意味合いも込められているのかな?と、勝手に想像しています。
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~目次~
vol.2 完璧な味
Glass8 完璧な味
Glass9 琥珀の夢(アンバードリーム)
Glass10 バー・ホッパー
Glass11 クリスマスの奇跡
Glass12 裏切りのグラス(前編)
Glass13 裏切りのグラス(後編)
Glass14 愛のリキュール
Glass15 錆びた心
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Glass8では、ミスター・パーフェクトと呼ばれる葛原隆一とのカクテル対決です。
この対決で、佐々倉溜は完敗してしまいます。
葛原の作った『マティーニ』は、時間の経過で崩れない完成された味で、美味しさが損なわれない完成度が高いものだったのです。
その一方で、佐々倉が作ったものは、相手の様々の要素に応えて作り最初こそ美味しいものの、時間が経つと味が落ちてしまう。。。
味では勝てなかったものの、「お客様を満足させたいと思う心は負けていない」と、ヒロインである来島美和の言葉に励まされます。
葛原の話は、Glass12・13にも関連してきます。
佐々倉が働いているBar『Lapin』(ラパン)に、葛原の店を破門された内田が訪れます。
内田がラパンで働くことが決まった直後、偶然にも葛原が店を訪ねてきました。
内田にカクテルをオーダーしたのですが、一杯目は失敗してしまいます。
それを佐々倉がフォローし、二杯目にしてようやく完成させました。
そもそも葛原は、なぜ完璧な味を目指すのか・・・
それは、どんな時でも誰よりも客を畏(おそ)れているから、とのこと。
だからこそ常に、より完璧な味を目指し続ける。
たとえ失敗したとしても、作り直す誠実さ、そのための努力を続ける限り、お客様も世界中のバーテンダーも助けてくれる。
バーテンダーにとっては「 たった一度の失敗」でも、お客様にとっては、一度しかない大切な時間。
完璧さを求める姿は、ストイックで誰でも真似できない尊さを感じます。
でも、それを追求するのは・・・
畏れと真摯に向き合い、日々コツコツと精進するためだったのですね。
失敗を認めて謝る誠実さ、技術を磨く努力。
自分自身のために、小さなことでも続けるうちにチカラになるのだと、痛感しました。
Glass15では、『神のグラス』について触れられています。
孤独に傷つき、行き場のない魂を救う最後の一杯。
それを『神のグラス』と呼ぶそうです。
佐々倉は、そんな一杯を作りたいと思っています。
Barで飲むだけでなく、日常で大切な人と飲み交わす一杯が、自分にとって『神のグラス』になる場合もあり得るかもしれませんね。